ページの先頭です。 メニューを飛ばして本文へ
現在地 トップページ > 組織でさがす > 社会教育部 > 公民館活動課 > e-Bizen Museum <閑谷学校ゆかりの人々7>

本文

e-Bizen Museum <閑谷学校ゆかりの人々7>

記事ID:0000510 更新日:2022年3月1日更新 印刷ページ表示 大きな文字で印刷ページ表示

閑谷学校ゆかりの人々

伊里公民館

閑谷学校の各建造物について

(1)聖廟

 平地から19段の石階(せっかい)を上がり、建築群の中心で一番高い所に位置する。
 閑谷学校の学問は儒学(じゅがく)であったから、その祖孔子を祀る廟として精神的中心の建物となっている。従って建築材の主要な木部は楠材を使用するなど他に比べ優れている。聖廟に至る門(鶴鳴門)は、閑谷学校の正門(校門)である。
 

 大成殿(だいせいでん)の基壇(きだん)亀腹は、花崗岩(かこうがん)切り石、軒の周囲に同じく切り石で雨落を造り那智の黒石を敷く、外部の木部はすべて漆塗りにして、火災・風雨対策をしている。内部の床は、備前焼の亀甲型の瓦を印籠張りにして止めて強度を高めている。

(2)閑谷神社

 学校創設者池田光政公を祀る(芳烈祠)。御神体として光政公の金銅製坐像を安置する。

 平地より、13段の石階を上がった所、孔子に敬意を払い、聖廟より一段低い所に位置し、すべての建造物を控え目に造っている。軒丸瓦の紋様は池田家の揚羽蝶紋である。

(3)講堂

 閑谷学校の学問の場としての中心的建造物で構内最大(約300平方メートル)の建物。
 屋根は、入母屋造り、備前焼の本瓦錣葺(ほんがわらしころぶき)、周囲に廻縁(まわりえん)を設け木組は、大面取りの角柱上に船肘木(ふなひじき)を置き桁を支える。廻縁上に連子(れんじ)の欄間(らんま)を設けて大建築の空間を引き締めている。

 内室には、内側に明かり障子をおいた花頭窓(かとうまど)をつけ、10本の丸柱を建て庇間と区別し、内外とも木部は、全て拭漆塗りに仕上げている。

 丸柱は、割れ目・歪みを防ぐため、欅の大木の芯を外して取っている。室内は余分の飾りは無く簡素の中に学問の殿堂にふさわしく清浄さが漂っっている。

1.講堂内部壁面掲額

 「定」二代綱政(伊予守)書、入学者の心得 三ヶ条の掟(国宝)

 一、閑谷入学之者(しずたににゅうがくのもの)、礼儀正可学問(れいぎただしくがくもんすべし)、尤撰其人(もっともそのひとえらぶに)、慥成證帖(たしかなるしょうちょう) 並宗旨手形可取置事(ならびにしゅうしてがたとりおくべきこと)。
 一、学問所江所附之林(がくもんしょえふするところのはやし)、不可猥伐採事(みだりにきりとるべからざること)。
 一、諸事可任奉行之指図事(しょじぶぎょうのさしずにまかすべきこと)。

 「朱文公規(しゅぶんこうき)」 朱子学の基本の規約を書いている。(小原大丈軒(おはら だいじょうけん)の書)

 「克明徳(こくめいとく)」 五代藩主 治政(はるまさ)の書 (ヨクトクヲアキラカニス)
 儒学の教本「大学」のなかの綱領(こうりょう)「康誥曰克明徳(こうこくいはくこくめいとく)」からとっている。

2.講堂及び構造物の特徴

ア.屋根の構造

 野地板の上に柿葺(こけらぶき)をし、その上に幅33cm厚さ約3cmの流し板を葺きおろし、その上に備前焼の瓦を空葺にしている。(一切土を使用しない工法)

 また軒先の瓦受けに丸い備前焼のパイプを取り付けている。これは万一雨漏りがあってもこのパイプから流し出すための工夫であり、また結露防止)機能もある。しかも瓦受けと流し板の間は、漆(木屎漆(こくそうるし))止めにして腐食防止、漏水防止もしている。この様な構造を持つ建造物は全国にも例を見ないといわれ、その周到にして細心の工夫には敬服する。

 このように雨漏れ対策を完全にして建築しているので、創建以来数度の屋根補修はしているが、軸部は寸分のくるいもなく、昭和34年度、35年度に実施した保存修理工事においても、屋根の補修のみでよかった。

イ.屋根の瓦

 閑谷学校の主要な建物の屋根瓦は、全て備前焼瓦を使用している。備前焼の茶色、壁の白、黒漆喰(くろしっくい)の柱など見事な構成をなして、周囲の山々の緑とよく調和し学問の殿堂としての風格を備えている。

 雨の日は、いわゆる「備前の濡れ色」でしっとりとした風情である。永忠は、閑谷学校近くに窯を築いて、伊部から陶工を呼び寄せて備前焼の瓦を焼かせた。

ウ.排水設備

 背後が山で、諸施設は傾斜地を整地して建設されているので、雨水対策には万全を期している。聖廟・閑谷神社は練塀(ねりへい)内側に水を集めて、下広庭の排水溝に落とす仕組みにして広庭全体は南に向かってやや傾斜させ、石塀側に水を集めたり、広庭地下に暗渠(あんきょ)を設け石塀側に井戸型に集める仕組みにしている。

 井戸型には、地下岩盤まで割栗石を詰め込み、集まった雨水を石塀外に自然排水される仕組みにしてある。このように建物の維持保存にもっとも重要な雨対策が完璧になされている。

エ.付属建物

  • 習芸斎(しゅうげいさい)・飲室(いんしつ)
    講堂の西釣屋(にしつりや)を通じて附設されているものに習芸斎と飲室がある。習芸斎は諸芸・学問の場に使用。飲室は休憩の場で土間の東よりに簀の子流しを設け、下部は垂れ水(たれみず)を外部に流す船型の石が取り付けてある。また、中央部に一枚石をくりぬいて造った見事な炉を設け、その縁には、端正な字で「斯炉中炭火之外不許焚火(このろちゅうすみびのほかたきびをゆるさず)」と心得が刻まれている。
  • 小斎藩主が臨学の際に使用する建物、屋根は柿葺(こけらぶき)で全てが簡素ゆかしく造る。
  • 文庫 土蔵造り、屋根は火災対策の切妻重(きりづまかさ)ね本瓦葺、入口は火災・盗難や湿気防止のため三重の土扉を設ける。基礎石に斜面をつけ雨水の浸透防止もしている。
(4)石塀

 校門の左右から起こり、学校全体を取り囲んでいる、幅約1.9m、高さ約2mの水成岩(すいせいがん)を積み鑿(のみ)で蒲鉾型(かまぼこがた)に仕上げてある。椿山を含む総延長846m、格調高く儒学の学び舎にふさわしい雰囲気である。

 内部にぐり石を水洗して丁寧に詰めているので仕上がりが完全である。このため300年を経た現在でも草一本も生えないすばらしさである。河内(かわち)の石匠河内屋治兵衛の施工といわれている。

(5)火除山(ひよけやま)

 文庫の裏(西)に後方の山から造り出した草山で、聖廟・神社・講堂などの諸建造物と火を使う学房や学舎を完全に隔絶して防火対策としている。

(6)門
  • 校門聖廟に通じる門で学校の正門でもある。屋根切妻造り、本瓦葺、両側に付属屋(花頭(かとう)窓付)入口も花頭口にし、荘重な中国風にしてある。
    別名を鶴鳴門(かくめいもん)(扉を開けるとき鶴の鳴声に似た音を発するので)ともいう。
  • 公門 藩主が臨学の際に出入りする門で、乳(ち)・八双・隅止(すみど)め金具も備えた医薬門(いやくもん)で豪快な柄振板(えぶりいた)練塀を付し、御成門(おなりもん)と言われるに相応しい風格である。
  • 飲室門(いんしつもん) 習芸斎の玄関に通じていて、教授や生徒の出入りする門。
  • 校厨門(こうちゅうもん) 学房・学舎(現資料館)に出入りする門。黒瓦を葺く。
楷の木

 石階の途中左右に植えられており、漆科の学名は「とねりこばはぜのき」。中国曲阜(きょくふ)の孔子の墓所にある楷樹の種を大正4年に持ち帰り、林業試験場で苗にして移植したもの。葉は左右対称で、楷書の「楷」の字はこの木の名からとっているといわれる。左右とも雌木で樹齢は80年程度であるが、よく育ち秋の紅葉は格別である。

閑谷学校